商船三井さんふらわあ 関西↔九州航路

運航状況

株式会社フェリーさんふらわあは、商船三井フェリー株式会社(首都圏~北海道航路)と合併し、2023年10月1日より、株式会社商船三井さんふらわあとして発足いたしました。

観光情報

2021年10月26日

「弾丸サイクルシェア」で航く 大分市内散策モデルコース

大分県の県庁所在地であり、工業、経済を支える都市として硬派なイメージがある「大分市」。
 
しかし、観光地として見ても、温泉食事文化、どれをとっても誇れるものが揃っています。
 
本コースではそんな大分の、誰もが知るあんなスポットから、知る人ぞ知るこんなスポットまで、古今東西を縦走します。中心市街地まで近い大分港の立地と、電動アシスト自転車の機動力を生かして、大分散策へ出発しましょう!
 
※なお、本コースは週末金曜日の神戸港発、翌土曜日の大分散策を念頭に設計しております。船の発着時間や行先の各施設、店舗の営業時間、定休日等は事前にご確認ください。
 
 

\今回利用するプランはこちら/

2021年3月新バナー.png

現地0泊・船中2泊の「弾丸フェリー」におおいたサイクルシェアの1日パスがセットになったお得なプラン!

電動アシスト付き自転車で、大分・別府観光温泉行脚温泉名人を目指してみませんか?

坂道の多い別府も電動アシスト付き自転車なら楽々スイスイです。

07:20 【大分港】着岸

上陸後、港に設置された「サイクルポート」から自転車を借ります。大分港のサイクルポートは本船間近!荷役の際には大型トラックも通行する「サイドランプ」が目の前に。この距離で見るとスケールの大きさを実感します。
 
ごーるど空撮 (2).jpg

1.jpg

大分港サイクルポート

2.jpg

サイクルポートから見上げた、本船第4甲板への出入り口となる「サイドランプ可動橋」。スケールの大きさに圧倒されます。

大分港のサイクルポートですが、ターミナルを正面玄関からぐるっと半周した、正反対のところに位置しています。ターミナル入口に案内図を掲示していますが、分かりづらい場合は窓口の係員までお問合せください。
 
さて、それでは自転車に「1日パス」をかざして開錠しましょう。いよいよ旅の始まりです。

07:30 【04|RHINO】着

3.jpg 4.jpg
最初の目的地は「04Rhino(ゼロヨンライノ)」。手作りの「おにぎり」とお茶・紅茶が楽しめる、お洒落な専門店です。
この日いただいたのは、王道の「しゃけ」と意表を突いた「卵黄」のおにぎり。「卵黄」はイートイン限定ですが、まさに新感覚。他にもクリームチーズを使ったメニュー等も人気で、オーセンティックな中にも素敵な遊び心を味わえるお店です。
 
セットのお茶やみそ汁も本格的!テイクアウトも可能ですので、晴れた日にはお店近くの「かんたん港園」へ持ち出して、ピクニック気分を満喫しましょう。

07:35 【かんたん港園】着

一般的に「港」の景色は殺風景になり勝ちですが、大分港にはこんな素敵な公園が隣接しています。先ほどご紹介しました04Rhinoにも、この「港園」を通っていくことができます。

5.jpg

整備が行き届いたフォトジェニックな「かんたん港園」ですが、その象徴ともいえる鳥居のような赤いゲート跡は、その昔当社船が使用していたものでもあります。今では「マッテルモン」が鎮座しているとか、いないとか……お立ちよりの際には探してあげてください。

6.jpg

ゲートの上で朝日を浴びる「マッテルモン」。ある種の産業遺産も、今ではアートスポットです。▲

08:00【かんたん港園】発

先程テイクアウトしたおにぎり定食の朝食を、かんたん港園から穏やかな別府湾(菡萏湾)を眺めつついただきましょう。朝食を済ませれば次の目的地「天海の湯」へ出発です。

08:10 【天海の湯】着

旅は始まったばかりですが、さっそく難関です。

 
自転車の大敵、上り坂が現れました。しかし、ここは「電動アシスト自転車」の性能を遺憾なく発揮して乗り切りましょう。手元のボタンでアシストのレベルを「坂道モード」に切り替えれば、2速でも意外なほどに登ってくれます。
7.jpg
 
 
そして、登った分だけご褒美が。この「天海の湯」は、なんといっても露天風呂からの眺望が素晴らしい!別府湾の朝日を浴びつつ「温泉県」大分の醍醐味を堪能しましょう。
 
なお、天海の湯の大浴場は、午前8時から深夜1時までの営業です。大分港へのアクセスは抜群なので、出航前にもう一度温泉へ戻ってくるのも良いでしょう。

08:45 【天海の湯】発

天然温泉で十分に英気を養ったら、次の目的地へ向けて出発しましょう。
登ってきた坂を下る幸先のいいスタートですが、この区間は少し距離があります。おおよそ1里弱の道のりですが、走るのは別大国道の快走路。心地よい潮風を受けながら走りましょう!
8.jpg
「別大国道」は非常に交通量の多い幹線道路ですが、
海側歩道には、自転車レーンが整備されています。
9.jpg

歩道を走るので、気軽に自転車を停めて休憩することもできます。

途中、休憩がてら別府方面を望めば、遠景ですが別府港に停泊する「さんふらわあ」も視認できます。
 
是非探してみてください。

09:10 【うみたまご・高崎山自然動物園】着

 

10-12.png
 
別大国道に架かる特徴的な陸橋が見えてきたら、いよいよ目的地に到着です。
 
大分市が誇る人気の観光スポットは、国道を挟んで隣接しています。
 
敢えてここで御託を並べるのも野暮なものですが、
この2施設の共通する特徴を挙げるとすれば、それは「体験型」であるということ。
とにかく、生き物との距離が近い!午前中は目一杯使って、そんな体験をじっくり楽しみましょう。
13.jpg

こっこれは……

14.jpg
さん〇らわあ!さん〇らわあじゃないか!

12:00 【うみたまご・高崎山自然動物園】発

さて、お昼になりました。そろそろお腹が減ってくる頃合いです。
 
せっかく大分までやって来たからには、大分が誇る特産が詰まった郷土料理を食べずに帰るわけにはいきません。
 
というわけで、次に目指すのはそんな大分の郷土料理が堪能できるこつこつ庵」です。別大国道を戻りつつ、港を越えて市内中心部まで一気に走破します。

12:30 【こつこつ庵】着

15-16.png
 
ところで、大分の郷土料理とは果たしてどんなものでしょうか?
そういえばよく知らないまま来てしまった。という方もご安心ください。
 
こちらのメニューは、大分の郷土料理で目白押しです。私は「とり天定食」をいただきましたが、他にも「琉球」「だんご汁」など、字面だけでは想像すら難しい個性豊かな郷土料理をお楽しみいただけます。

13:20 【こつこつ庵】発

余談ですが、大分の風土の特質を表した言葉に「大分の二度泣き」というものがあります。
 
これは、大分へ転勤の辞令を受けた会社員が「あんな田舎に赴任するなんて」と泣き、後に次の任地への辞令を受けた際に「こんなに良いところを去るなんて」と再び泣くという「お約束」を体現した慣用句です。
 
この「こんなに良いところ」を構成する要素の一つは、間違いなく「」と、それを支える「」の部分です。
 
海の幸、山の幸、共に新鮮で、町の定食屋さんへ行けばそれらを安く、あるいは大量にいただくことができます。筆者も大分へ赴任して半年ですが、早くも離れがたい心持ちです……さて、そんな美味しい定食を堪能したら、次の目的地「COLORS」へ向けて出発です。

13:30 【COLORS BIKE AND CAFE】着

ちょっぴり「秘密基地」感のある、開放的なガレージ風のお洒落なカフェに到着です。店内には競技用自転車の実車が何台も……それもそのはず。このお店、ロードレースのプロサイクルチーム『スパークルおおいた』の直営店で、同チームのクラブハウスでもあるのです。
 
食事のメニューに関しても、そのままアスリート食になり得る栄養抜群の本格的なものが揃っています。コーヒーへのこだわりも熱く、美味しいコーヒーを飲みたいという方にも、是非お勧めしたいお店です。また、運が良ければ現役選手の方がいらっしゃることも。プロの選手との距離の近さも魅力です。
17.jpg
現役選手がプロデュースしたブレンドも味わえる本格派のコーヒー
お茶請けにオーガニックなクッキーがついてくるのもうれしいポイントです。
 

14:00 【COLORS BIKE AND CAFE】発

美味しいコーヒーで落ち着けば、昼食の消化もそろそろできた頃合いでしょうか。

次の目的地への道程は、町を水平に走るだけではなく、大分の歴史を垂直に遡る旅路でもあります。鉄道の廃線跡をレールに沿って進みながら、悠久の歴史に思いを馳せましょう。
18-19.png
 
 
まずは、大分駅が高架化される前の名残を留める「線路敷きボードウォーク広場」を進んでいきます。サイクルポートも完備しているので、バッテリー残量が気になる方は、ここで自転車を交換しても良いでしょう。
 
しかし、線路の上を走るなんて不思議な感覚です。今は令和の時代ですが「〽汽車は闇を抜けて」と口ずさみながら、次の目的地へ思いを馳せましょう。

14:15 【元町石仏】着

20.jpg
到着しました「元町石仏」。遡ったのは約1000年前。
 
ご本尊は平安時代後期に造立された薬師如来坐像の摩崖仏です。
 
大分県には日本全国で6割以上の摩崖仏が集中しており、中でも臼杵市の「臼杵石仏」は有名で、国宝に指定されています。
 
ここ「元町石仏」も国指定の史跡であり、間近で仰ぎ見ると、その存在感に圧倒されます。
 
なお、近隣には「岩屋寺石仏」も位置しており、こちらも同時期に造立されたものと考えられています。

14:25 【元町石仏】発

大分を舞台にした歴史紀行、まだまだ行きたいと思います。続いてのテーマは「昭和レトロ」。
 
ノスタルジックな温泉で、ほっと一息つきましょう。

14:30 【あたみ温泉】着

21-22.png
 
どうですかこのタイル張りの玄関口になびく暖簾。
平成生まれの私でさえ、有無を言わさず圧倒的なノスタルジーをもって迎えてくれます。
そして、特筆すべきはその立地です。なんと大分駅の目の前で半世紀以上もの歴史を重ねています。
 
大分駅前は、駅舎の建替えを中心に大規模な再開発が行われましたが、その中にあって変わらず人々を見守ってきた、懐の深さが滲み出るような店構えです。是非そんな「あたみ温泉」で、心身共に癒されてみてはいかがでしょう。

15:15 【あたみ温泉】発

温泉地としての知名度に関して言えば、お隣の別府がやはり圧巻ですが、そこは「温泉県」を自任するだけある大分県です。県内ほぼ全域で温泉が湧出しており、大分市もその例外ではありません。
 
「天然温泉」の看板がこれほど街に馴染んでいる県庁所在地も珍しいでしょう。「普通の銭湯かと思ったら実は温泉だった」というケースがあまりにも多いので、大分で「銭湯」を見たら、それが「銭湯に擬態した温泉」ではないか、確認のため二度見をされることをお勧めします。
 
さて、歴史探訪の旅はまだ続きます。お次は大正ロマンを体感してみましょう。

15:20 【赤レンガ館】着

  

23.jpg

大正2年、二十三銀行の本店として建造された名建築は、紆余曲折を経て「赤レンガ館」として甦りました。

今でこそ、厳選された大分の名産品を販売する「Oita Made」や、自家焙煎のスペシャルティコーヒーを楽しめる「タウトナコーヒー」が入居するお洒落な商業施設ですが、壁面を構成するレンガや銀行時代の時計に、往時の記憶を留めています。

大分県では「一村一品」の合言葉の下、各地で特色ある名産品に磨きをかけてきました。その中から、さらに厳選された逸品が一堂に会す「赤レンガ館」で、旅のお土産を選んでみましょう。

 
日頃お世話になっている人を思いながら選ぶもよし、自分の手元に置いて旅を思い返すもよし。
お土産を選ぶ時間も旅の醍醐味の一つです。
24-25.png

スペシャルティコーヒーを楽しめる喫茶スペース

26.jpg
銀行時代を今に伝える文字盤が特徴的な時計。
今では周りを大分の一品が囲む。

16:00 【赤レンガ館】発

とっておきのお土産を買いそろえたら、旅もいよいよ最終盤。本日最後の目的地へ向けて出発です。

16:05 【大分県立美術館(OPAM)】着

 

27.jpg
午後は「歴史」を一つのテーマとして巡ってきましたが、その締めくくりに「美術館」はいかがでしょうか。
 
OPAMは2015年に開館した比較的若い美術館で、設計はプリツカー賞も受賞した坂茂氏の手によるものです。明るく開放的でモダンな当館は、優れた現代建築として見応えがあります。
 
他方、コレクションも近世以降の大分ゆかりの作品を豊富に収蔵しており、大分の歴史を詰め込んだ一種の「タイムカプセル」と言って差し支えないでしょう。
 
展示をじっくり観覧しつつ、静かに旅の余韻に浸ってみるのも一興です。

18:00 【大分県立美術館(OPAM)】発

名残は尽きませんが、そろそろ出航の時間も近づいて参りました。大分港へ向けて帰路に就くことといたしましょう。
 
「港」というと、どうしても中心市街地から距離がある印象ですが、大分港は大分市中心部から近く、アクセスしやすいのも魅力です。
 
現在地のOPAMからも、距離にして約2㎞、自転車だと約10分で到着です。夕方の交通量が多くなる時間帯ですが、自転車なら渋滞とも無縁で時間が読みやすいのも嬉しいポイントです。

18:10 【大分港】着

弾丸サイクルシェアで航く大分散策モデルコース、遂に港まで帰ってきました。一日を共に過ごしてきた自転車ともここでお別れ。サイクルポートで鍵をかけ、一日パスを翳せば返却完了です。その際に表示される「返却」の文字が、ちょっぴり寂しい気分を誘います……
28.jpg
Bon Voyage !
 
いかがでしたでしょうか。本コースでは大分港を起点として、大分市の古今東西を訪ねる構成としてみました。一部を除いて全体的に起伏も少なく、自転車レーンが整備されている区間が多いのも特筆すべきポイントです。休日は、フェリーに乗って大分の快走路を駆け抜ける「弾丸サイクルシェア」でのリフレッシュを、是非ともご検討くださいませ。