商船三井さんふらわあ 関西↔九州航路

運航状況

星空教室 2025年7月

さんふらわあの夜空

海の上で見る星空は、周りのビルや家々、近くの山々に邪魔されることがないのでとても広く、頭の上から水平線まで、そしてほぼ360°どの方角も見渡すことができます。陸上では広い砂漠や草原、高い山の上でしか見られないそんな星空を、さんふらわあの船上で、どうぞお楽しみ下さい。

※当イベントは開催日限定イベントです。イベント日程はこちらでご確認ください。

2025年の星空

2025年7月の夜空

東の空

東の空
この星空が見える時間
7月初旬22時頃
7月中旬21時頃
7月下旬20時頃

夏本番はこれからという7月ですが、夏至を過ぎて、日暮れは日々少しずつ早くなり始めています。十分に暗くなると、東の空に七夕の星々が輝きだします。高めの空で白く輝いている星がおりひめ星(ベガ)、少し南寄りの低めの空で輝いている星がひこ星(アルタイル)で、どちらも白い1等星です。少し北寄りにもうひとつ白い1等星が見つかれば、三星を結んで「夏の大三角」が描けます。この星はちょうど天の川の中で輝いていることから、日本にはあまのがわ星という名前が伝わります。暗さに目が慣れてくると、あまのがわ星を起点に十字形に並ぶ星々が見えてくるでしょう。見た目そのままに十文字星という名前が伝わりますが、西洋ではこれを羽ばたいて飛ぶ大神ゼウスの化身の白鳥に見立て、はくちょう座とされています。デネブという名前は、尻尾に由来しています。十文字星の長い方向の星の並びは、そのまま天の川の流れに重なっています。夜空に天の川を探すときは、このラインを頼りにするとよいでしょう。今は7月7日に七夕の星を見ようとしても、たいてい梅雨の最中で、天の川はもちろん1等星の星々も見えないことも多いです。でも七夕はもともと旧暦のお祭りなので、旧暦に照らすと、本来はひと月くらい先の行事なのです。さらに今年は閏水無月が入るため、今年の七夕は8月29日とだいぶ先になります。その頃には雨も湿度も少なく、日が暮れた頃には夏の大三角も高く昇り、天の川もよく見えるのです。一方南の空には、1等星の赤星が輝いています。赤いその星が見つかれば、釣り針のような曲線を描く魚つり星が見えてくるでしょう。これは西洋星座のさそり座です。その近くには、北斗七星に似た南斗六星も見つかります。

西の空

西の空
この星空が見える時間
7月初旬22時頃
7月中旬21時頃
7月下旬20時頃

日没から20分くらいすると、西の空にまだ夕焼けが残っていても、南西の高い空を見上げるとオレンジ色の明るい星が輝きはじめています。麦の刈り入れ時期に頭上で小麦色に輝くこの星には、麦星や麦刈り星、麦熟れ星といった名前が伝わります。名前の由来を知ると、麦畑で日が暮れるまで仕事をしたあと、空にこの星を見ながら家路につく人々の姿がありありと浮かんできます。麦星の下方には、少し青みがかった控えめな1等星スピカ、そして白い2等星デネボラが輝いています。この三星を結ぶと「春の大三角」となります。白い夏の大三角に対し、この色とりどりな春の大三角はちょっと趣が違います。東西に輝くふたつの大三角を、皆さんもどうぞ見比べてみてください。そして麦星の北側には、北斗七星のヒシャクが、天から吊り下げられたように輝いています。春に見え始めた頃は北東の空で上下逆さまに見えていたので、ずいぶんと季節が移ったことを感じさせてくれます。ヒシャクの持ち手の曲線は、延ばして夜空に大きな「春の大曲線」を描き、ヒシャクの先は、その先にあまり目立たない北極星の場所、つまり真北の方向を教えてくれます。北斗七星は、夜空の大きな道しるべのような星座なのです。デネボラはしし座の尻尾の星で、レグルスは同じく心臓の星です。今月の火星は、この二星の近くを日に日に移動していきます。長い間見えていた火星も、今シーズンはいよいよ見納めとなります。

明けの東の空に明けの明星・金星

夏至を過ぎて間もない7月は、夜明けがまだまだとても早く、午前5時前後に太陽が昇ってきます。でも夜空で月に次いで明るい金星、明けの明星なら、日の出10分くらい前まで見ることができます。今月は4時半ごろにいつも、水平線から20°くらいのとても見えやすい高さで輝いています。刻々と明るくなる空にいつ消え入るのか、その瞬間を逃さず捕まえてみるのも一興でしょう。ただただぼんやり眺めているだけでも、十分に楽しめます。下旬になると、木星も水平線上に昇ってきます。8月12日には、明るいこの二惑星が超接近します。

デッキで星を見られるお客様へのお願い 星を見るには外に出ることになります。以下の注意事項をお守りいただき、星空を楽しんでいただきますようお願い申し上げます。

  • 暗い中屋外で行動することになりますので、事故などには十分注意してください。特にお子様は、保護者の方と一緒に行動するようにしましょう。
  • 明るい船内からデッキに出てすぐは、目が暗さに慣れていません。何分かデッキにいて目を慣らしてから、やっと星空や流星などの暗いものが見えるようになります。屋外に出て流星が見えないからといってすぐにあきらめてしまわずに、目が慣れるまでしばらく(15分ぐらい)待つことも必要です。
  • 船は時速40キロ以上で走っています。意外に風が強く、船首で発生した海水のしぶきがかかることもありますので、風下での観測をお勧めいたします。
  • 外部デッキの暴露部は波しぶきがかかったり、潮風で濡れていることが多く、大変滑りやすくなっていますのでスリッパやサンダル等すべり易い履物は着用しないで下さい。また、デッキは海面上20m以上あること、万が一夜間航海中に海中転落されますと発見が困難であることから、手すりに寄りかからないようお願い申し上げます。

星空教室 講師紹介

  • 田島 由起子
    自然教育事務所 宙 代表。大学で宇宙や地球について学び、高校講師を経て…

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  • つちたに のりお
    ある時はコンピューターエンジニア、ある時はスキューバダイビングのイン…

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  • 船田 智史
    大学時代には天文同好会に所属。1987年9月の沖縄金環日食を観て以来、皆既…

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  • 藤原 正人
    小学生のころより星空に興味を持ち、惑星、流れ星、彗星、星雲、星団その他…

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  • 坂元 誠
    星空と宇宙の楽しさを人に伝えることを仕事にして20年、多くの人々を星…

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