
海の上で見る星空は、周りのビルや家々、近くの山々に邪魔されることがないのでとても広く、頭の上から水平線まで、そしてほぼ360°どの方角も見渡すことができます。陸上では広い砂漠や草原、高い山の上でしか見られないそんな星空を、さんふらわあの船上で、どうぞお楽しみ下さい。
※当イベントは開催日限定イベントです。イベント日程はこちらでご確認ください。
2025年8月の夜空
北東の空

- この星空が見える時間
- 8月初旬
21時半頃 - 8月中旬
20時半頃 - 8月下旬
19時半頃
8月に入ると20時を過ぎる頃には星がよく見えてきて、東の空を見上げると七夕の星が三つ、大きな三角形を描いて輝いています。一番高い空に見える星がおりひめ星で、南寄りの少し低い空で輝く星がひこ星です。三つ目の星は、その間を流れる天の川の中で輝いていることから、あまのがわ星という名前が日本には伝わります。七夕は旧暦文月七日の祭りですが、今年は少し遅く、8月29日がその日にあたります。あまのがわ星を頂点とした十字形の星の並びは、西洋でははくちょう座とされ、まさに天の川の上を飛んでいます。あまのがわ星のデネブという西洋名は、十字にはくちょうの姿を重ねた位置から尻尾を意味します。日本では形そのままに十文字星とよばれるはくちょう座は、中国でもカササギというカラスの仲間に見立てられ、連なったカササギが七夕の夜に天の川に架かる橋となって織女と牽牛を会わせるそうです。一方、北東の空には、春以降低すぎて見えなかったカシオペヤ座が見えるようになってきました。低い空でW字形に見えるその姿は、船の碇に見立てて日本で付いた、いかり星の名が似合います。はくちょう座が重なる天の川は、このいかり星へと流れていきます。深夜を過ぎると冬の星々が昇ってきて、いかり星から更につづく冬の天の川も見ることができます。とはいえ早い時間帯ならまだ、いかり星より北斗七星の方がよく見えます。真北を教えてくれる北極星を探すなら、北斗七星から探すとよいでしょう。南の空にはよく似た形の南斗六星も見えるので、ぜひ一緒に探してみてください。
南西の空

- この星空が見える時間
- 8月初旬
21時頃 - 8月中旬
20時頃 - 8月下旬
19時頃
南の空では、赤い1等星が明るく輝いています。その見た目から日本には赤星という名前が伝わるこの星は、西洋では「火星に対抗する」という意味合いでアンタレスとよばれます。日本では釣り針に見立てられて魚つり星とよばれることもあったさそり座の、サソリの心臓で輝く星です。頭上で輝くおりひめ星とひこ星の間に見える天の川は、この魚つり星の針の先、さそり座の尻尾の先に向かって流れています。淡い雲のように見える天の川の正体は、銀河系の無数の星々から届く光の集まりで、よく見ると濃淡があり、魚つり星と南斗六星の間のあたりが最も濃くなっています。私たちは宇宙の中で、銀河系とよばれる星の国の、太陽系とよばれる郊外の地域に住んでいるようなものですが、この郊外から見た銀河系の中心が、天の川の濃くなっている方向にあります。そしてその中心には巨大なブラックホールがあると考えられ、近くの星は強い重力によって振り回されていることが分かっています。目には見えないブラックホールですが、2017年に人類史上初めて、シルエットとして撮影されました。
未明の空に輝くふたつの明星

春先から明け方の空で輝いている明けの明星・金星が、今月も明るく輝きます。地球より内側で太陽を廻る金星は、太陽からあまり離れて見えないため、高い空に見えることがありません。そんな金星が今月は日の出直前、水平線から30°近い高さにまで昇ります。金星は日に日に少しずつ高度を下げていきますが、月初に低い空に見える木星は、日に日に高度を上げていき、両星は12日、超接近します。月に次いで明るく見えるこの二星が、こんなにも接近して見えることは滅多にないことです。下旬には水星も低い空に姿を見せます。
- 暗い中屋外で行動することになりますので、事故などには十分注意してください。特にお子様は、保護者の方と一緒に行動するようにしましょう。
- 明るい船内からデッキに出てすぐは、目が暗さに慣れていません。何分かデッキにいて目を慣らしてから、やっと星空や流星などの暗いものが見えるようになります。屋外に出て流星が見えないからといってすぐにあきらめてしまわずに、目が慣れるまでしばらく(15分ぐらい)待つことも必要です。
- 船は時速40キロ以上で走っています。意外に風が強く、船首で発生した海水のしぶきがかかることもありますので、風下での観測をお勧めいたします。
- 外部デッキの暴露部は波しぶきがかかったり、潮風で濡れていることが多く、大変滑りやすくなっていますのでスリッパやサンダル等すべり易い履物は着用しないで下さい。また、デッキは海面上20m以上あること、万が一夜間航海中に海中転落されますと発見が困難であることから、手すりに寄りかからないようお願い申し上げます。







