商船三井さんふらわあ 関西↔九州航路

運航状況

星空教室 2025年9月

さんふらわあの夜空

海の上で見る星空は、周りのビルや家々、近くの山々に邪魔されることがないのでとても広く、頭の上から水平線まで、そしてほぼ360°どの方角も見渡すことができます。陸上では広い砂漠や草原、高い山の上でしか見られないそんな星空を、さんふらわあの船上で、どうぞお楽しみ下さい。

※当イベントは開催日限定イベントです。イベント日程はこちらでご確認ください。

2025年の星空

2025年9月の夜空

南東の空

東の空
この星空が見える時間
9月初旬21時頃
9月中旬20時頃
9月下旬19時頃

9月、日が暮れて30分ほどすると、頭上に「夏の大三角」が輝きだします。西寄りの星がおりひめ星で、南寄りの星がひこ星です。北東寄りの三つ目の星は天の川の中で輝く星で、あまのがわ星という名前が日本には伝わります。この星を頂点とした十字架形の星の並びは、西洋でははくちょう座となり、日本では形そのままに十文字星や、十文字さまなどと呼ばれていました。十字の縦ラインはちょうど天の川と重なっていて、天の川はおりひめ星とひこ星の間を通り、南西の水平線へと流れていきます。その南西の低い空には、赤い1等星が輝いています。日本では赤星とも呼ばれていたこの星は、西洋ではさそり座の心臓で輝く星となっています。さそり座のS字形の曲線は、南東の空に見えるときは縦長で、大空から海に垂らされた釣針のようです。日本には魚つり星という名前が付き、ハワイでも同じように見立てられていたそうです。一方今月の空のように南西の空では、S字形は横に寝て、地を這うサソリっぽさを感じさせます。魚つり星の少し上には、北斗七星と似た形の南斗六星があり、このあたりの天の川が一番濃くなっています。9月は天の川の見えやすい季節なので、月のない夜ならきっと見えるでしょう。南東の空に目を移すと、土星と南のひとつ星が明るく輝き、真東の空には秋の四辺形もよく見えるようになってきました。まだまだ残暑の厳しい時期ですが、夜空は着実に秋に移り変わってきています。

北西の空

西の空
この星空が見える時間
9月初旬21時頃
9月中旬20時頃
9月下旬19時頃

春先から高い空によく見えていた柄杓形の北斗七星は、今月は日が暮れると、北西の低い空に現れます。夜が更けると北極星の下に滑り込むように移動していき、低い空のもやに埋もれて見えなくなってしまいます。生を司ると言われる南斗六星と、死を司ると言われる北斗七星。両方を一緒に見るなら今月までがチャンスです。宵の早いうちに見に行きましょう。一方、宵の北東の低い空に見えはじめるW字形の碇星(カシオペヤ座)は、深夜には北の高い空に昇り、M字の山形に見えるようになります。夏の大三角を流れる天の川は、北側ではこのいかり星/やまがた星へと流れていきます。そして真北には、一晩中動かない北極星が輝いています。周りに明るい星がなくポツンと輝く北極星は、いきなり見つけるのは難しいですが、北斗七星やいかり星をたよりにするときっと見つけられます。西の空には、小麦色の1等星・麦星(アークトゥルス)がよく輝いています。麦星は、北斗七星の柄杓の持ち手の曲線の、ちょうど延長線上で輝きますが、それをさらに延ばした先にはおとめ座の1等星スピカもあります。今月はスピカのそばには火星もあり、日に日にスピカに近づいていき、10日過ぎに両星は最接近します。19時前後のまだ暮れきらない薄明るい宵の空の、水平線から10°ほどの低い空に位置する両星。9月半ば頃まで、水平線まで視界が広がる船上からなら見られるかもしれません。

明け方の明星と真夜中の月食

初夏からよく見えていた明けの明星・金星が、今月も明け方に東の空で輝きます。日の出がだいぶ遅くなってきたので、月末には5時半過ぎまで見ることができるでしょう。金星の上空には、金星に次いで明るい木星も輝いています。月初と月末では、この二惑星の距離がずいぶん違うので、空の印象はかなり違うでしょう。また今月の満月は8日ですが、この日、日本全国で皆既月食が起こります。月食は月が地球の影に入る現象で、皆既の間は、地球の大気を屈折して通り抜けた赤い光だけが月を微かに照らし、幻想的な姿を見せます。

デッキで星を見られるお客様へのお願い 星を見るには外に出ることになります。以下の注意事項をお守りいただき、星空を楽しんでいただきますようお願い申し上げます。

  • 暗い中屋外で行動することになりますので、事故などには十分注意してください。特にお子様は、保護者の方と一緒に行動するようにしましょう。
  • 明るい船内からデッキに出てすぐは、目が暗さに慣れていません。何分かデッキにいて目を慣らしてから、やっと星空や流星などの暗いものが見えるようになります。屋外に出て流星が見えないからといってすぐにあきらめてしまわずに、目が慣れるまでしばらく(15分ぐらい)待つことも必要です。
  • 船は時速40キロ以上で走っています。意外に風が強く、船首で発生した海水のしぶきがかかることもありますので、風下での観測をお勧めいたします。
  • 外部デッキの暴露部は波しぶきがかかったり、潮風で濡れていることが多く、大変滑りやすくなっていますのでスリッパやサンダル等すべり易い履物は着用しないで下さい。また、デッキは海面上20m以上あること、万が一夜間航海中に海中転落されますと発見が困難であることから、手すりに寄りかからないようお願い申し上げます。

星空教室 講師紹介

  • 田島 由起子
    自然教育事務所 宙 代表。大学で宇宙や地球について学び、高校講師を経て…

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  • つちたに のりお
    ある時はコンピューターエンジニア、ある時はスキューバダイビングのイン…

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  • 船田 智史
    大学時代には天文同好会に所属。1987年9月の沖縄金環日食を観て以来、皆既…

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  • 藤原 正人
    小学生のころより星空に興味を持ち、惑星、流れ星、彗星、星雲、星団その他…

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  • 坂元 誠
    星空と宇宙の楽しさを人に伝えることを仕事にして20年、多くの人々を星…

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